弊社代表取締役社長の大神田が沖縄タイムスにてコラムを執筆しております。
詳細については、以下参照ください。

(沖縄タイムス オフィスの窓から 第3 回 2025 年7 月13 日掲載)
株式会社おきなわC&Cホールディングス 代表取締役社長 大神田睦
地域に根差す営み承継
沖縄県の後継者不在率は65.3%に上り、全国で5 位の高さとなっています(2024 年、帝国データバンク調べ)。経営者の約3 人に2 人が後継者を確保できない現実は、企業の存続だけでなく、地域の雇用や地場産業の継続にも影を落とします。
ある企業の歩みをたどると、その地域で積み重ねられた時間と営みが、静かに根付いていることに気付きます。今回ご紹介するのは、グループ企業おきなわアセットブリッジが携わった一件です。新規取得が難しい免許を持つ飲食品卸企業が、地域と社員を思い、次世代へ事業を託した道のり。私たちは、数字では測れない「思い」や「誇り」に触れながら、対話を重ね支援してきました。
創業75 年を迎えた企業。代表者は84 歳。足が不自由でも現場に立ち続けてこられました。自らの資金を投じて社員の給与を補い雇用を守る姿勢に、私たちは深く心を打たれました。新規取得が極めて困難とされる「全酒類卸売業免許」を維持している点も、この企業の大きな価値の一つです。
2022 年8 月にM&A アドバイザリー契約を結び、2 年半にわたり県内外30 社超へ打診。25 年2 月、県内流通企業への譲渡が実現しました。契約に当たっては、株式の譲渡、役員借入金の精算、従業員3 人の雇用・処遇改善、事務所賃貸契約継続など、条件を調整し、合意に至りました。
買い手企業にとっても、この免許の希少性は極めて高く、既存事業では得がたい優位性をもたらすものでした。観光需要が拡大する中、泡盛を含む地場酒類の販路を広げる戦略的起点として、この承継が大きな意味を持つこととなりました。譲渡成立から3 ヵ月で年商を数倍に伸ばすなど、事業は目に見える形で急成長を遂げています。
地域に根を張ってきた企業の営みが、社会の構造的課題と交わる地点で、新たな節目が生まれる――。その場面に立ち会うたび、“継承”の奥深さを感じます。これからも誠実に、その声に耳を傾け続けていきたいと思います。